価格転嫁交渉の4ステップ

経営戦略

社長が取引先と向き合う際、自信を持って交渉に臨むための4ステップです。

1.現状の「見える化」と「自社努力」の整理

まずは、相手が納得しやすい「材料」を揃えます。

具体的なコスト増を示す: 原材料、エネルギー費、物流費がそれぞれ「何%上がったか」を整理します。

自社努力のプロセスを共有: 「工程の見直しや経費削減で〇円分は吸収したが、残りの〇円分については自社だけでは限界に達している」という経緯をまとめます。

2.誠実な「協議」の申し入れ

一方的な通告ではなく、あくまで「協力をお願いする立場」として場を設けます。

早めの打診: 取引先にも予算計画があるため、適用希望日の2〜3ヶ月前には相談を開始するのがマナーです。

趣旨の明確化: 「昨今の物価高騰を受け、安定供給を維持するための価格改定について、ぜひご相談のお時間をいただきたい」と真摯に伝えます。

3.安定供給と品質維持を軸とした交渉

「高くしたい」という要望ではなく、「事業を継続するための必要経費」であることを強調します。

「三方よし」の視点: 「このままでは品質の低下や供給の遅延を招く恐れがあり、それは御社にとっても不利益になる。持続可能な取引を続けたい」という姿勢で話します。

人件費への配慮: 「現場の若手や熟練の職人の処遇を守り、技術を継承していくためにも、適切な利益を確保させてほしい」という点も、現在は正当な理由として認められやすくなっています。

4.合意内容の書面化

決定した内容は必ず形に残し、将来のトラブルを防ぎます。

実施時期と対象の特定: どの品目が、いつから、いくらになるのかを明記します。

覚書の作成: 合意に至った背景や内容を簡潔な書面にまとめ、双方が納得した証を残します。

5.経営者の皆様へ

政府の指針も追い風になっています 現在、公正取引委員会などは「労務費(人件費)の適切な転嫁」を強く推進しています。「コストが上がっているのに協議に応じない」ことは、発注側にとってもリスクとなる時代です。正当な根拠があれば、自信を持って交渉に臨んでいただいて大丈夫です。

 

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