会社を元気にするためには、稼ぐ力を上げるだけでなく、ムダな出費を減らすことがとても大切です。でも、ただやみくもに費用を削ってしまうと、かえってサービスの質が落ちたり、働く人のやる気がなくなったりして、逆効果になることもあります。
そこで、今回は会社のお財布を強くするための「かしこい節約のコツ」を、3つのポイントに分けてお話しします。
1. 毎月必ずかかるお金(固定費)を見直そう
固定費は、売上が増えようが減ろうが、毎月決まって出ていくお金のことです。この固定費を減らすと、会社の経営がぐっと安定します。特に大きな割合を占めるのは、人件費と家賃です。
人件費と聞くと、「社員を減らすこと?」と思うかもしれませんが、そうではありません。例えば、単純な事務作業をRPA(ロボットに仕事を任せる仕組み)にやってもらうことで、社員はもっと大切な、人にしかできない仕事に集中できます。その結果、少ない人数でも大きな成果を出せるようになるんです。また、ムダな残業をなくすことも、お金を節約しながら、社員の働きやすい環境をつくる良い方法です。
家賃については、最近は家で仕事をするスタイルが広がっているので、オフィスを少し小さくしたり、もっと家賃の安い場所に移転したりする良いチャンスです。
2. 売上に応じて変わるお金(変動費)を減らそう
変動費は、商品の売れ行きや生産量に合わせて増えたり減ったりするお金です。この変動費をうまく減らせると、会社の儲けが直接増えます。特に注目したいのが、商品の材料費や外部に仕事を頼む費用(外注費)です。
材料費を減らすには、いくつかのお店に見積もりを取って、一番良い条件で取引してくれるところを探すのが基本です。たくさんまとめて注文することで、安くしてもらえることもあります。外注費も同じように、いくつかの業者を比べて、一番お得なところを選びましょう。
また、広告費も変動費の一つですが、これをやみくもに減らすのは危険です。なぜなら、広告を減らすとお客さんが来なくなってしまうかもしれないからです。なので、「かけたお金に対してどれくらいお客さんが増えたか」をしっかり調べることが大切です。データを見て、あまり効果のない広告はやめて、お客さんがたくさん来てくれる広告にもっとお金を使うようにすれば、お金を節約しながらも、しっかり売上を伸ばせます。
3. 仕事の中に隠れている「ムダ」をなくそう
仕事の中にあるムダをなくすことは、お金の節約だけでなく、仕事の効率を上げるためにもとても大事です。
まずは、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)という5つの行動を習慣にすることから始めてみましょう。机の上が散らかっていたり、探している書類が見つからなかったりするのは、すべてムダな時間とお金です。5Sを徹底することで、仕事がスムーズに進むようになります。
また、「仕事の流れを見える化」することも有効です。仕事の進め方をじっくり見てみると、「あれ、これってやらなくてもいいんじゃない?」とか、「同じことを二回もやっている!」といったムダが見つかることがあります。紙の資料をなくす「ペーパーレス化」も、紙代や印刷代を節約するだけでなく、資料を探す手間も省くことができます。
これらの工夫をバランス良く続けることで、会社のお財布が強くなり、長く安定して成長していけるようになります。